わたしと息子の間で諍いが起きた。
彼には彼の言い分、理由があり
私には私の言い分、理由がある。
お互いに、余裕なく、斟酌するゆとりがなかったのがよくなかった。
きつい言葉が飛び交い
私も、おとなげないこと言ってしまった。
そして
彼の「限界」を超えた。 キレた。
私にものを投げつけた。
そういうことはしちゃいけないって言ったでしょ と詰め寄った私に更にものを投げつけ
近づいていった私の胸倉を ドン と突き飛ばした。
片や、運動もやってた18歳
わたしはといえば、身長155センチ 決して大柄でもないわたしは
あっけなく かなりな勢いで 飛ばされた。
痛かったし
彼のそういった行動 許すことができなかったわたしはつい激昂して
「もうリビングには来ないで!二階の自分の部屋と、トイレとお風呂以外は下に下りてこないで!」
と 言ってしまった。
彼は泣きながら
「ごめんなさいごめんなさい 全部オレが生きてるから悪い 俺は腐った人間だ」
「でき婚でできた子供なんて最初から腐ってるんだ」
大きな体を震わせて泣く、 そして二階に行ってしまった。
突き飛ばされたときに
軽くぶつけただけの頭がやけに痛む。軽く当たっただけなのに
意味もなく痛む。
彼を追って二階へと。
押入れに詰まれた布団の上に顔を埋めて 開け放しに泣いている息子。
わたしは、
「否定しないで、そんなんじゃない、悪いところは直していけばいい、だから。」
息子は開け放した感情に任せ、ふだん口にすることのない思いを
晒けだしてくる。
「家のなかで、いつも自分は浮いている。
我慢しなきゃいけないことわかってる、
わざわざ言わなくても、 たくさん我慢してきた
家の中が汚いのだって、 そういうの嫌いだけど、押し付けられないから
自分ができるときにリビング片付けてた、
好き勝手なときにやってたってみえるかもしれないけど
自分の時間が自由になるときに やってた。
自分はこの家で いつも一人だけ浮いてる わかってる 邪魔だってこともわかってる」
「我慢してもしても、 どうしても耐えられないときどうしたらいいの???」
たくさんの理由もあるし 正論だってある、それも解ってる。
だけど
わたしは彼がかわいそうでかわいそうでならなかった。
彼はものごころつく前から 父親から、しつけの範囲を超えた
理不尽な暴力を受けてきた。
今、思い出しても涙が止まらない。
あんな小さなからだで どれほどのものを彼は耐えてきたのだろう。
それは推し量るに余りある
ひどい体験だったと 思う。
(止めることができなかった自分も裁かれるべき
だけど、諌めれば諌めるほど「オレのやり方に文句があるのか」といって
息子に上げた手をさらに振り上げる 時期を見計らって、もういい加減にして!と外してやることしか
できなかった。
もっともっと早く ああいう環境から出してやるべきだったと 今は深く反省している。)
そして何よりも 問題なことに
彼は、「自分が受けた虐待について、
ま っ た く 『記 憶』 が 、 無 い
つらかったことはすべて 脳内から消去してしまう」。
受けた痛みさえ記憶にあれば
「それだけはすまい」と、強大な反面教師にもできたと思うのだが。。。
わからないから無意識に、フラストレーションの発散 模倣してしまう。
彼に暴力を振るった父親は男性 そして彼もまた男性であるから
ずっとずっと深い部分で 気づかない模倣を、捨てきれない息子がいる。
わたし自身の後悔 済まなさ
そして、息子がかわいそうでたまらない思い、で
涙が止まらない。今も。
小さなからだで耐え 記憶を消去してまでも彼は超えてきた、ただ、生き延びるために。
二階の彼の部屋で、布団に伏せたまま、二人で泣いた。
何年分の涙。
ただ 言わなければならないことは、言わなければならない。
いつか共に生きたいと思う人と生活するときに
結婚とか共同生活って、きれいごとばかりじゃない、
ともに、顔をつき合わせて暮らすようになれば
「理解不能」だったり 「頭にくるようなこと」もたくさん、 出てくる。
「そのときに
どんな理由があろうと、 手をあげたり、突き飛ばしてはいけないんだよ、
それだけは絶対にだめ。
私はあなたに不幸になってほしくない、だから
大事な人を失って後悔しないためにも、
それだけは絶対に、やってはいけないことなんだよ」と。
私も止まらない涙と嗚咽をこらえながら そう言った。
「あなたも、絶対にやってはいけないことをした。
だけど 私も至らないところあったし やらなきゃいけないことをやらなかったり
だから、 お互いに、 直していこうね がんばろうね。」
と言うと
「お母さんが今いろいろできないのはわかってる、それは
からだが不自由な人に歩けというのと同じことだから、オレが間違ってた」と。
でも
問題はあれこれあったとしても 私なりに頑張らなくちゃいけない。
彼の言い分も、またひとつの正論、 ただ伝え方があまりに不器用で。
私も広いこころで受け止めれなかったこと それは反省。
彼は何度も
「あんなことをしてごめんなさい ほんとうにごめんなさい」と繰り返し
わたしの頭 ぶつけたところを幾度となく、撫でる。
彼も 私も たくさんの涙を流した。
彼の背中を抱いて 私もたくさんの涙を流した。
いろんな思いがあって 簡単に言えることばかりじゃなくて
彼も普段は理性で 蓋をしてる気持ちも ことばにしてくれた。
伝えたい もどかしい でも、あるがままの思いをお互いにある程度
ぶつけることができたことが、収穫ではあった。
今は、大きな体 一人前のような顔をしている息子ではあるけれど
私にしてみれば 厳しい状況の中で、耐え抜いたサバイバー
そればかりじゃない、幼いながらも精一杯私を庇って、守ろうとしてくれた
小さな男の子は、いつでも私の胸の中にいる。
厳しい子供時代を経て 自分の感情の整理がうまくつけられなくなるときがある 息子。
小さかった彼
生き延びた彼も、耐えていた小さな男の子も、私の中では
いつまでも存在し続ける。
そして、彼がかわいそうで
サバイバーであった小さかった息子
そして、今、稀に起こる感情の制御がきかないこと
涙が止まらない。 今も。
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感情的で、長文、乱文であること、ごめんなさい。
今はまだ 冷静に、考えられない、客観的になれない。。。
支離滅裂かもしれないけど あるがままの心で書きました。